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いつまでも

懸賞 2007年 05月 14日 懸賞

高校を卒業してすぐに入社した会社には、4年弱勤めた。
主に車のマフラーを製造して、販売する会社。
私は営業部にいて、お客様からのお問い合わせを受けていた。

最終的に「営業部」と言う名前がついたものの、最初は「物流センター」そして「カスタマーセンター」など部署名を変化しつつも、私がしていた仕事内容は変わらなかった。
入社当時から、私の部署で課長をしていた男性が居る。
あまり周りから好かれてはいないようだったけど、私は彼を慕っていたし、尊敬していた。
物流センターの頃は、商品を出荷していたので部署にはたくさんの人が居た。
営業部になると、取締役が兼任になってしまい移転した出荷場所に常に居たので、課長が仕切ることになった。
そして営業部には課長を含め、4人しか居なかった。
その中で私が一番先に辞める事となり、次にもう一人居た女性が辞め、開発部に居た人と結婚した。
もう一人は男性で、私の親友と結婚して会社の移転と共に静岡へ転勤。
でも去年退社した。

残された課長も、ご実家の方でイロイロな事があり、静岡と実家を行き来する毎日だったようで、先日課長が辞めたと言う噂を聞いた。
課長の自宅はうちの会社と同じ町内なので、先週の土曜日会社に行ったついでに、散歩をかねて課長の自宅を訪ねることにした。
実はちゃんと場所を知らなかったので、会社からはかなり歩いたし、近くについてからもしばらくウロウロしていた。
その時遠くに課長が歩いているのを見つけ、呼び止めた。
課長からは遠目で私の事が分からなかったようだ。
何しろ課長に会うのは7年ぶりだもの。
課長はとてもやつれていた。
3月末に退社したと聞いたけど、その後も苦労が耐えない様子だった。
課長はまるで自分の娘でも見るみたいに私に「幸せですか?」と聞いてくれた。
課長が引き止めるのも振り払い仕事を辞めたんだから、「幸せ」と答えなければ申し訳ない気がした。
もちろん本当に幸せなんだけど、必要以上に笑顔で答えた。
彼はもう課長ではなく、地区センターのバイトのおじさんになっているそうだ。
私が会社を辞めた日、その日は会社の忘年会だったのだけど、社長に出てはいけないと言われみんなより早く帰ることになり、挨拶をすると課長は号泣した。
忘年会にもなかなか顔を出さず、始まりが送れたことを後から友達に聞いた。
私を「秘蔵っ子」と言ってとても可愛がってくれ、信頼してくれたし、仕事の話からプライベートな事までお互い話していた。
私も、課長がいるから頑張れたと思うし、もっと力になりたかった。
だけど会社が私をそこまで必要としていなかった。
会社を辞めてから7年半になる。
私が会社を辞めた後、課長がどんな生活をしていたかは全く知らない。
だけど私にとって、課長はいつまでも私の課長だ。
課長にも課長の幸せを見つけて欲しい。
輝いた瞳を取り戻して欲しい。
私が辞めた会社の仲間達に会うと、みんな必ず口を揃えてこう言う。
「あの頃は良かったよね」
みんないつも笑顔で、仲が良く、楽しかった。
だからこそ、同じ思いを抱く仲間が集まるとみんなとても癒される。
もし、課長にも同じ思いがあるなら、私が力になれないだろうか?
課長と一緒に静岡で戦ってきた友人も招いて、ホッとできる空間を作れないかな。
でもやっぱりこれもお節介なのかな?
私が他人を癒そうなんて、間違っているのかな…

by yoko1113_0613 | 2007-05-14 15:14

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